首相の条件 2017 10 14

 日本では、衆議院選挙の最中ですが、
どのような選挙結果になっても、
安倍晋三氏が、首相になるべきでしょう。
 与党にも野党にも、
「首相になりたい」という野心を持っている政治家は多いでしょうが、
「はたして首相が務まるのか」ということは考えていないでしょう。
 みんな、首相になることが目標で、
「実際に首相になった後、どうするか」ということは考えていないでしょう。
 首相になると、すぐにも、
トランプ大統領やプーチン大統領、
あるいは、習近平国家主席など、
世界の強者たちと交渉や国際会議で渡り合う必要があります。
 「私は、こういう強者たちと、
すぐにでも対等に渡り合える」という自信がある人は、
首相になってもよいでしょうが、
そういう人はいないでしょう。
 日本の歴代の首相は、たいてい、
国際会議では、片隅で、おとなしくしていて、
「早く会議が終わってほしい。
早く日本に帰りたい」という島国根性丸出しの人が多かったのです。
 語学が堪能で、国会では、
空き時間に英字新聞を読んでいて、
英語が完璧だった宮沢元首相ですら、
サミットでは、欧米の首脳が、
宮沢氏には聞き取れない言語で会話をしていて、
疎外感を感じたと回想しています。
 安倍晋三氏は、語学が得意ではありませんが、
政治家を含めて多くの日本人が苦手とする国際会議でも、
積極的に活動しています。
 そういうわけで、外交に関しては、
安倍晋三氏は、今までにない新しいタイプの政治家です。
 ついでに、この場を借りて、
私が感じた人物評価を書いておきましょう。
 トランプ大統領は、見かけからすると、
大雑把なイメージが強いと思いますが、
細かいことや地味なことも着実にやっていく人だと思います。
 トランプ氏は、ビジネスで成功した人なので、
見かけと実際は違うと思います。
 ビジネスで成功するというのは、
派手で華やかなイメージがあると思いがちですが、
ビジネスで成功するには、
地味で目立たないことを着実にこなしていく必要があります。
「地味で目立たないこと」が9割、「目立つこと」が1割程度がよいのです。
いつも目立つようなことをやっている企業は、やがて倒産の危機を招きます。
 ワシントンには、企業を経営させれば何度も倒産させるような連中ばかりです。
そういう人たちが、ワシントンには多いのです。
アメリカ国民は、もっとトランプ大統領を信頼してよいと思います。
確かに、トランプ氏は、言葉が下品ですが・・・・・。
 次に、プーチン大統領ですが、
これは、確かに強者です。
 ロシアの強力な政治指導者だから、
柔道で言えば、常に大技を仕掛けてくると思いがちですが、
意外にも、着実に「有効」を取りに来る戦法です。
 そういうわけで、対等に渡り合っているつもりでも、
いつの間にか自分のほうが負けていたという状況になりかねないから注意すべきです。
プーチン氏は、着実に「有効」を稼いでいるからです。
 さて、習近平国家主席については論評を避けます。
今、中国では、共産党大会が近づいているからです。

首相の条件 2010 6 13

わずか十数年で首相の条件は大きく変わってしまったのです。

「地上の楽園」と喧伝された北朝鮮は、ミサイル大国に、
「人海戦術が攻撃手段」と言われた中国は、米軍並みのハイテク装備に、
「映画の世界だ」と思っていたのに、よもや現代に、海賊が出没。
「永遠の繁栄が続く」と思われた現代のローマ帝国も、落日が忍び寄る。
「日が沈まぬ帝国」と言われた大英帝国も、人々の記憶の中にある。
「日が暮れるのは早い」とキリストの日記には記されているのか。

 一昔前ならば、日本の首相は、何も知らなくても務まったのです。
戦後、長らく、
「日本は商売に専念し、安全保障はアメリカに丸投げ」という状態が、
続いてきたのです。
 多くの日本人どころか、政治家までも、
国防や安全保障には思考停止の状態になっていても、それでも暮らせたのです。
 だから、「非武装中立」という非現実な概念が、
時代の流行語になったこともあったのです。
 なにしろ、「地上の楽園」に、「人海戦術」に、「映画の中の海賊」、
そして、「現代のローマ帝国」だったからです。
これなら、非武装中立も「現実的」だったかもしれません。
 しかし、今や、日本の首相も、アメリカ大統領並みに、
安全保障の見識が要求されるようになったのです。
(注)
 数十年前、左翼や左派の学者や評論家が、
北朝鮮を「地上の楽園」と喧伝していました。








































































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